易を利用するこころがまえ

 

占いをうまく使いこなす方法について

 

占いをしていくにあたって常に心掛けているコトがあります。それは、「占いを自分のなかに入れるのはいいけれど、占いのなかに自分を入れてはならない」という心がまえです。

 

なんのこと?と分かりにくいかもしれませんが、ようするに占いを「生きる上での方針として採用するのはいいが、占いそのものに人生をあずけてはならない」ということです。

 

 そのことをもっともよく表していると私が感じる故事を例に挙げたいと思います。

 

日本の戦国時代の話です。

 

織田信長が本能寺の変で明智光秀に討たれた、との報に接した羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)は重大な決断をせまられます。今いる備中高松(=現在の岡山市)から全軍を引き返して明智光秀を討つことができるか?という決断です。そこで、秀吉は軍師に占いをたてるように命じました。当時は易をはじめとする体系を駆使できる人物が軍師として従軍していました。今の参謀のようなものですね。すぐに軍師は占いの結果を秀吉に伝えました。

 

「占いの結果は、きわめて不利と出ました。この作戦を決行すれば秀吉さまはすべてをなくしてしまう、と出ています。おやめください。」

 

それを聞いた秀吉は言います。

 

「その占いは、大吉である。決行しよう!」

 

そして、まず当時の自分の本拠地である姫路に引き返し全軍に休養を命じるとともに、姫路城にあったすべての食糧・金品を将兵に分け与えました。

 

秀吉はすべてをなくすという演出を姫路でおこない、そして天下分け目の戦に臨んだのでした。

 この故事は、占いを受ける側の心がまえを示したものでもあります。

占いの結果を聞いてそのあとどう考えるか?行動するか?そのバランスを問われるということなのです。

結果を聞いたときのご自身の感覚、腑に落ちた感覚があるなら、それも良いでしょう。

「受けいれたくない」という気持ちが出てきたなら、その気持ちを大切にしてほしいと思います。

それこそが答えなのだと。

そのように考えていただくといいと思います。


私の提供する五行易では改善法をアドバイスしているのですが、そこには易の結果をどう生かすか?という想いがあります。易のカウンセリングが有意義な時間になることを祈って、今日も向き合っています。