予祝(よしゅく)という言葉があります。
この言葉は、「あらかじめ祝う」という意味です。
この言葉は、日本人が古来より慣れ親しんできた風習や考え方のひとつなのです。
具体的な例をあげます。
お正月を迎えたときに、しめ縄飾りをしているのを見たことがあると思います。
じつは、お正月にしめ縄などを飾って新年を祝う風習のなかに予祝(よしゅく)という考え方が含まれているのです。
昔の日本は、農業主体の生活をしている方がほとんどでした。
米作りを基本とした生活設計は、どうしても天候に左右されてしまい、安定を期待することがむずかしかったのです。
昔の日本人にとって、生きられるかどうかは、天候次第。
そういった厳しさと隣り合わせに生きていた先祖たちが新年を迎え、切実に願ったことは何でしょうか?
それは、「今年も豊作であってほしい」
ということではなかったでしょうか。
そこで、新年を迎えるとしめ縄を飾り「あらかじめ豊かになった」気持ちをもつことで現実に豊かさを引き寄せようとしたのです。
こういった行動を「予祝」というのです。
現在でも、しめ縄を飾り、新年を祝う風習は続いています。
そのことは、私たちのなかに、あらかじめ何かを置くことでしあわせや願望を引き寄せるという考え方がしっかりと根付いていることを示すように感じられます。
私が提供している易カウンセリングでは、悩みの解消や希望の実現のために干支グッズをある方向に置くといい、ということを提案しています。
この提案は、日本人が古来からつちかってきた「予祝」という考え方とも一致しています。
易カウンセリングで提案する改善法は、じつは私たち日本人がむかしから行ってきたことだったのです。